初送迎はクールな美女 デリヘル・ドライバー日記5

初送迎はクールな美女 デリヘル・ドライバー日記5

2020/09/25
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デリヘルドライバーとして初仕事

僕の名は石田あきら。どこにでもいる無職でパチンコ中毒の普通の40歳だ。先日、長年勤めていたパチ屋をクビになり、普通だけが取り柄で資格も何もない僕は「男の風俗求人サイト」という求人サイトに載っているお店に電話を掛け、第3新東京市にあるお店のデリヘルドライバーとして採用された。ついに初仕事となるのだが…。

「どうして、前のドライバーさんは辞めたのだ?」

僕はデリヘルドライバーの先輩、ミサトさんに聞いた。胸が大きくグラマーで美しい先輩だ。

「あー、なんていうかね。理由はちょっち言いずらいのだけどね」

ミサトさんは気まずそうに僕から少し視線を外し、頭を掻いた。

「うちのお店の女の子に連絡先を聞いたのよ。デリヘルドライバーって誰でも出来るんだけど、お店の女の子に手を出すのは絶対NG!でも手を出しちゃう男性もいるのよ」

なるほど。単純明快で分かりやすい理由だ。

「つまり店の商品に手を出そうとした。だから首になった。そういうことだな」

寿命が近いのか頭上の蛍光灯が明滅している。その明かりがミサトさんの瞳をより深くまで照らした。

「あなたの言う通りよ。」

「でも商品っていうその言い方。それはやめたほうがいいわね。傷ついちゃうかもしれないから。女の子の前ではやめてね」

「分かった。以後気をつける」

その時ドアが勢いよく開いた。

送迎開始

ドアの向こうにいたのはアスカだった。

「お客さんよ、2人とも送迎お願いね」

「了解。それじゃあ行きますか」

初仕事だ。

「それじゃ、カーナビに住所入ってるから」

それだけ言い残し、ミサトさんは先に行ってしまった。

「なんだと…」

僕は狼狽した。

「石田あきら君、あんたもさっさと準備してよ」とアスカが言った。

「ちょっと待ってくれ」と僕はアスカに言った。

「まだ研修期間じゃないのか?」

「運転するだけだから一人でも大丈夫よ。不安なら付いていこうか?」

僕は丁重にお断りした。

スレンダー美女

車の近くにはショートカットの女の子が立っていた。

「あなたが新人ドライバーさん?」

透き通った美しい声をしている。肌も白くスタイルもいい。

どことなく儚げな雰囲気の少女だ。

「よろしくお願いします」

礼儀正しかった。

僕はデリヘル嬢に多少がさつなイメージを抱いていたので面食らってしまった。

こんな女の子もいるんだな。デリヘル。レベルが高い。

カーナビに目的のラブホテルをセット。アクセルを踏み込んだ。

「どうしてドライバー始めたんですか?」

「お金が必要だったからだ。コロナでパチ屋を解雇された。借金があった。未経験で高収入にひかれてな」

「そうなの」

「名前は?」

「レイ」

女の子、レイにはどこか不思議な雰囲気があった。

移動中一度も携帯電話を見ない。それどころか瞬きさえしていないように感じた。

この子はどうしてデリヘル嬢になったのだろうか。

「前のドライバーが手を出そうとした気持ちもわからんでもないな」

「その話聞いてるんですか」

レイが素早く反応した。つい口から言葉が出てしまったみたいだ。

急に表情が曇ってしまった。地雷を踏んでしまったか?

「実は、私に手を出そうとしてたの。それで、店長のゲンドウさんに相談したの」

「そうだったのか…」

「店長が、その日のうちにクビにした。普段何を考えているかわからないけど、怒らせると…。でも、ルールは守らないと」

「その通りだ」

僕はそう言いながら、内心ヒヤリとする思いだった。

とても笑えない。

「条件:やる気!月収60万円マジで稼ぐ」

その日の仕事が無事終了すると、ミサトさんが話しかけてきた。

「おつかれ。お腹空いたでしょ?ご飯でも行こうか」

「それはとてもありがたい」

つづく

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bon

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